こんにちは!
いちばん不動産の山内です\(^o^)/
2021年も、残すところ、約2ヶ月。
すっかり寒くなって、ハロウィンからのクリスマスはあっという間なんだろうな...気がします。
令和3年度 第2回法定研修会
本日2021年10月19日、令和3年度 第2回法定研修会を受講しました。
内容は、次のような感じ。
テーマ 「宅地建物取引業と人権」(約 35 分)
講 師 大阪企業人権協議会 芝本 正明 氏
テーマ 「高齢者取引・代理人との取引の留意点」(約 90 分)
講 師 弁護士 松田 弘 氏
今回の研修で興味深いなーって思った点は、「判断能力が低下した者の不動産取引」って内容です。
判断能力が低下した者の不動産取引
法律の専門用語でいうと、トラブルから守るための制度(制限行為能力者制度)です。
- 成年被後見人
- 被保佐人
- 被補助人
契約を「なし!」にする手段
契約自体の不成立
- 契約書に署名・捺印はあるが、本人はまったく関知していない。
- 代理人による契約になっているが、代理権を与えたことはない。
意思能力の欠如による無効
意思能力:自分の行為の結果を認識・判断できる能力
契約締結時に、判断能力をまったく欠いていた。
改正民法により無効であることが明文化された(3条の2)。
注意点:認知症がすべて該当するわけではない。
公序良俗による無効(民法90条)
民法90条:公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は無効とする。
- 暴利行為
- 高齢者の締結した契約が、あまりにも一方的に不利な場合
錯誤による無効(民法95条)
民法改正により、無効ではなく取消しできることになった。
民法95条1項本文「その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。
錯誤
内心の意思と外部に表示したことが食い違っているのに、本人がその食い違いに気付いていないこと
詐欺による意思表示の取消し(民法96条)
民法96条:詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる
詐欺ってなに?
欺写によって他人を錯誤に陥らせ、その錯誤に基づいて意思表示をさせる故意の行為
消費者契約法による取消し、無効
- 消費者が事業者の一定の不適切な勧誘行為によって契約の申込み又は承諾の意思表示をしたときは、その意思表示を取消しできる(同法第4条)。
- 消費者の利益を一方的に害する契約条項は無効。
不動産取引の3つの裁判例
不動産取引は、金額が大きいだけあって、よくトラブルが起きてます。
土地建物の売買契約について、売主に意思能力がないことを理由として、無効とされた事例
土地の売買契約について、公序良俗違反を理由として、売買契約を無効とした事例
土地建物の売買契約について、売買代金の額の相当性について錯誤があるとして、契約が無効とされた事例
3つ目の裁判結果のその後が気になる
言葉巧みに弱みにつけ込むのは、よくない!
3つ目の裁判のポイント
- 売買代金7,000万円
- 土地の平成4年分路線価の相当額 1億2,900万円
- 当時の時価評価額 2億0,078万円
- 本件土地の平成4年分路線価の70%相 当額と実際の売買代金額とは、かなりの開きがある
- 売買代金額は、売買契約の最も重 要な構成要素であるから、要素の錯誤に当たる
- 本契約は無効
- 売主が現実の売買代金額について、通常の取引価格と比べ、特に低いものと認識してい たとは認められないこと
この裁判の結果、ちゃんと取引は解消されて、平穏な生活が戻ったのか、気になる。
まとめ:令和3年度第2回法定研修会(全日本不動産協会)
不動産取引は、とても大きなお金が動きます!
変な業者に引っかからないように、信頼できる不動産屋に相談しましょう\(^o^)/
ちなみに、講師の弁護士さんは、成年後見制度をもっと活用しようって言っていた。